血液の大切な役目

 

 

私たちの全身を巡る血液に4つの大きな役目があります。

1.酸素を全身に送り届けます。

2.水分を全身に送り届けます。

 

3.栄養を全身に送り届けます。

4.全身の老廃物を回収します。

 

いずれの役目が滞ってもいろいろな障害発症の要因となります。

 

 

 

 

 

神秘の血管と血液

 

 

 

私たちの身体に隈なく張り巡らされている血管は、動脈・静脈・毛細血管の3種類をすべて合わせるとでなんと、全長で10万キロメートルだそうです。地球の赤道を2周半できる長さです。何とも凄い長さですね。そして血液が全身を一巡りする時間はおよそ1分。地球を2周半するのに要する時間は1分ということです。

 

それにしても最も細い毛細血管は、赤血球より小さくなりますが、赤血球より細い血管を赤血球はどうやって通り抜けるのでしょうか。 赤血球は、コンニャクのように柔らかいため、細長い形に変化して細い毛細血管を通り抜けることができるのです。

 

心臓から送られた血液が全身を巡り、新鮮な酸素や微量ミネラルなどの栄養、そして水分などを細胞に運びます。同時に細胞から出された二酸化炭素や老廃物などを回収して、尿などとして体外に運び出します。

 

酸素が届かないとエネルギーに変えることもできません。ミネラルが届かないと体内酵素の働きも激減します。血液が止まるとそこから先は死んでしまうのです。

 

 

日頃は何も感じることもありませんが、私たちの身体は意識しなくても年中無休でこのような働きをしてくれているのですね。

 

あらためて自分の身体に感謝の思いが溢れてきます。

 

 

 

 

 

血流が悪くなるとどのようなことが起こる?

 

 

 

私たちは、毎日の食事で食べたものを胃から腸へ送る過程で消化して腸内細菌の酵素で分解して吸収し、血液で全身に送り届けられます。そして肺で摂取した酸素も同じように全身に送り届けられます

全身に送り届けられた糖質や脂質はエネルギーに変換されます。この時に酸素が必要となります。酸素が少ないとエネルギーに変換する効率が悪くなります。

手足の冷え症などはよく血流が悪いためと言われますが、要は酸素が十分に届いていないのです。同時に栄養分も血流が悪いと十分に届きません

また酸素が少ないために脂質がエネルギーに十分に変換されないということは、脂質が体内に蓄積されるということにもなります。これは体脂肪率が高くなるということです。

 最近の若い女性の殆どが慢性の鉄不足と言われています。実は鉄が酸素を運んでいるのです。鉄は外に置いておくとすぐに錆ます。酸素は鉄と手を結びたがる性質を利用して酸素を取り込んでいるのです

 

 

生活習慣病と血流

 

 私たちの身体は、一般的に加齢とともにいろいろな障害を生じるようになります。病気とはその発症や進行に合致した名称が当てはまるものをいいます。ですから基本的にはこれまでの長年の生活習慣の蓄積の結果生じたものと言えるでしょう。

 生活習慣病には、「死の四重奏」と言われる高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満が代表的なものですが、これらは単独でも恐ろしい病気です。しかし重複すると命にかかわる危険な症状へと進行します。

これらの生活習慣病は、動脈硬化をもたらし動脈が硬くなり弾力性を失ってしまいます。血管壁にコレステロールなどが溜まり、血液の流れが悪くなります。重症になると、血栓が詰まって血管を完全にふさいでしまいます。脳梗塞や心筋梗塞が代表的なものです。

 

 

 

基礎代謝と血流

 

基礎代謝は一般的に加齢とともに低下します。

 

基礎代謝とは、運動など何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために体内で、自動的に行われている活動において必要なエネルギーのことを指します。

 

基礎代謝はエネルギー代謝の大半を占めていますが、その量は性別を問わず、歳を重ねると徐々に低下していくことが分かっています。10代をピークに下がっ ていく基礎代謝ですが、その理由は筋肉にあります。一般的に歳を経ると、人体の筋肉量はどんどん減少し、脂肪が増えていきます。エネルギー代謝という観点からこれをみると、年を重ねるにつれ、安静時の代謝全体の22%を占める骨格筋が少なくなり、代謝への貢献度の低い脂肪組織が増えているということになり ます。
 このように、筋肉量の減少による代謝低下は、だいたい30代からはじまると考えられています。昔と同じ量の食べ物を食べても、前ほど痩せないという理由 は、この「加齢による筋肉量の減少」が理由となります。そして同時に脂肪を燃焼させてエネルギーに変えるためには酸素が必要となります。この酸素が十分に 供給されないと代謝低下につながります。

酸素は血液で運ばれますので、血流が悪くなると酸素も十分に運ばれない状態となります。体温の低い方は血流が悪く酸素が十分に届かないことも原因の一つと考えられます。

 

 

基礎代謝と体重

 

 加齢とともに筋肉量が少なくなり脂肪組織が増えてくると当然ながら体重も増加します。体重が増えたのにそれを支える筋肉量は減少している訳ですから身体はアンバランスな状態となります。加えて血流が悪くなると悪循環に入ります。 筋肉を維持するために最低限の運動を習慣にして血流をよくすると脂肪が燃焼しやすくなり体脂肪も低下します。当然体重も減少しますので身体を支えやすくなりバランスが整います。

 

 

体重と血圧

 

私たちの身体は、意識しなくても血液を全身に隈なく送り届けるようにできています。そのために心臓は年中無休で働いて血液を送り出しています。送り出された血液が何の障害もなく隅々まで届けば問題もないのですが、体重増加に伴い脂肪組織が増えてくると血管に付着して血管を狭くしたり、血液中にも混ざり血液をドロドロにする原因となったりします。

 

血管が狭くなったり血液がドロドロになると当然血液の流れは悪くなり、心臓は圧力を高くして血液をちゃんと送り届けようとします。 また体重増加により血液を送り届ける距離も長くなりこのことも圧力を高くする要因となります。 体重が1キロ増えると血管は、なんと3キロメートルも延びるとも云われています。

 

同時に血液の流れが悪くなると心臓は強い圧力で血液を送ろうとします。これが続くと心臓肥大の原因ともなります。

 

従って血圧が高くなること自体はごく自然な状態と言えますが、問題は血管が柔軟性を失って硬化していたり詰まったりしていると、くも膜下出血や高血圧性脳内出血または脳梗塞・心筋梗塞などの症状を引き起こす原因となることが心配されます。

 

降圧剤で血圧上昇を抑える処置もありますが、基本的には血管に付着した中性脂肪やコレステロールをエネルギーに変えて流れを良くすると同時に血液をさらさらにする生活を心掛けることが大切と考えます。

同時に血管を丈夫にする食生活も心掛けましょう。

 

 

血液と疲労回復

 

熊本の体力研究所が熊本と宮崎の女性のマラソンランナーを対象に、6年間かけて調査した結果、次のことが分かりました。

 

宮崎のランナーが世界記録に準ずる好記録を出した時に体内の鉄分が平均より1.9グラム多かったのです。ところが反対に体調を崩して走れなくなった時の体内の鉄分は平均より1.4グラム少なかったのです。

 

つまり鉄分が多いということは酸素の供給量が多く、逆に鉄分が少ないということは酸素の供給量も少ないということです。

 

私たちの身体は、脂肪分をエネルギーに変えて活動できる訳ですが、脂肪分をエネルギーに変えるためには酸素が必要なのです。多くのエネルギーを必要とする時には多くの酸素が必要なのです。

 鉄分が酸素の供給に関わることは理解できましたが、それ以外にも酸素の供給を大きく左右する要素があります。酸素を運ぶ血液の流れが悪いと酸素は潤沢に供給されません。血液の流れが良いと酸素もどんどん運ばれます。酸素がどんどん運ばれてくると脂肪を燃焼してエネルギーに変え、同時にその老廃物も回収して運びますので疲労回復も早いということになります。さらには脂肪が燃焼するということは、体内に蓄積されないので体重もコントロールし易くなります。

 

 

薬やサプリメントの効果の出やすい人・出にくい人

 

腸は第2の脳とも云われていますが、私たちが食べたり飲んだりしたものは、胃で消化され腸の体内酵素で分解されて吸収されます。小腸のヒダには無数の微絨毛が存在し消化・吸収を効果的に行っています。

 

腸が正常に機能している状態では、吸収して良いものと悪いものを判別して良いものだけを吸収するようになっています。ところが腸が弱って正常に機能できなくなると悪いものまで吸収してしまいます。

 

以前、司法解剖に長年携わってこられたJ大学病院先生が、「昔と比べて最近の人は微絨毛が少なくなって中にはツルツル状態の人もいます」と話されていたことが印象的でしたが、この微絨毛が食べ物を消化吸収するのに大切な働きをしているのです。

 

いくら栄養バランスの整った食べ物やサプリメントを食べたり飲んだりしても腸での吸収が十分に出来なかったら意味のないものとなります。

 

薬やサプリメントを同じように服用してもすぐ効果の出る人となかなか効果を確認できない人がいます。この差は、腸での吸収状態が大きく関わっていると考えられます。

腸も時には断食などで休ませてあげたいものです。

 

 

健康な生活を楽しむためには

 

私たちが生命維持活動に必要とするものは、空気(酸素)と水と食べ物です。

 

生を受けてから何も意識することもなくこの恩恵を受けながら生活してきましたが、加齢とともにこの恩恵を受け難くなる変化が私たちの体内で起きています。

 

これまでの長年の食や運動・生活サイクルなどの結果、蓄積されて表面化してきたいわゆる生活習慣病です。

 

これを元に戻すといっても急には出来ません。長年の蓄積ですからやはり時間をかけて修復するしかありません。しかしその修復速度を速めることは出来ます。

 

 ・血管に付着した中性脂肪やコレステロールなどを取り除いて血液の流れを良くする。

 

 ・血液中の中性脂肪やコレステロールなどを取り除いて血液をさらさらにする。

 

 ・腸(特に小腸)を丈夫にして正常に機能するようにする。

 

 ・ミネラルバランスのとれた食生活を心掛ける。(特に海藻や魚介類がお勧め)

 

 ・毎日、柔軟体操と筋力維持の運動を継続する。(特に足腰)

 

 ・ストレスを溜めないでゆったりのんびりとする時間を取るようにする。

そして小まめに水分を摂ることです。(この時に「さらさら」を入れて飲むことをお勧めします)